アルザスワイン

ワインラヴァーの皆様こんにちは。
今週もまるひろワインブログにお立ち寄り頂きありがとうございます。

さて、今週ご紹介するワインは、アルザスワインでございます。

アルザスとは、フランス北東部にある地域でドイツとの国境沿いになります。よって、歴史的・文化的にドイツとの関係が深く、気候もフランスワイン産地の中では最も寒くドイツに似ているため、栽培されているぶどう品種もドイツのものが多く栽培されています。

今回は、2人の生産者のワインを紹介していきます。

まず1人目は、【ドメーヌ・ミットナット・フレール

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アルザスはビオロジーやビオディナミ栽培に挑戦する生産者がとりわけ多い地域ですが、中でも特に注目されている新世代の造り手がここです。”ミットナット”は”ミッドナイト”の意。マルセル・ダイス当主ジャン・ミシェル・ダイスの親友でもあるマルクとクリストフのミットナット兄弟。赤坂のフレンチレストランで長年シェフをしていたという札幌出身の由佳さんは、クリストフの奥様。ラベルにも入っているこのドメーヌのキャッチフレーズ
「Terre d’étoiles」(テール・デトワール)
は、「星々きらめく土地」という意味です。「ビオディナミをはじめてから、猪や鹿が畑に入ってくるようになりました。動物達は、農薬や化学肥料を使用している隣人の畑には入ろうとしません。それと、畑に野生のチューリップが咲いたり、野いちごが実るようになったんですよ」という由佳さん。今日も畑で土まみれになりながら、ピチピチと弾けるように健康なぶどうの栽培に一心不乱に取り組んでいます。ワインは透き通るようにピュアでとても上品な口当たりながら、その奥行きのある深い味わいに心を打たれます。
実は、「ミットナットファミリー」が先日7月29日に来日し丸広百貨店川越店の和洋酒売場にご来店。試飲やサイン会など売場を盛り上げていただきました。

その時、販売していたワインが

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◎キュヴェ・ギョタク 750ml 税込3,456円
今でしたらミットナット由佳さんのサイン入りボトルが入手できますよ!!
「お寿司に本当に合うワインは何か?」
赤坂のレストランで長年シェフを務めていた「元プロ」の由佳さんは、夫のクリストフとともに長年このテーマに取り組んできました。「一口にお寿司に合うと言っても、お魚だけではなく、酢飯、わさび、しょうゆ、ガリとも合わなくてはなりません」。研究に研究を重ねた夫婦が辿り着いたひとつの結論は、リースリング、ゲヴュルツトラミネール、ミュスカ、ピノ・グリ、ピノ・ブランの5品種のブレンドでした。
「ブレンド比率は企業秘密です(笑)。ヴィンテージによってブレンドも変わります」。
尚、このワインは、アルザスの伝統的呼称における、いわゆる「gentil (ジャンティ)」
(50%以上貴品種を使用したブレンドワイン)です。

そして2人目は、その由佳さんが師と仰ぐ【マルセル・ダイス】。
アルザスの革命家と呼ばれております。

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「何かを良くしようと思ったら、それは愛によってのみ可能だ」。現代アルザスワインの頂点を極めるジャン・ミッシェル・ダイス。アルザスに初めて「テロワール」の概念を持ち込んで大論争を巻き起こし、遂にはAOC法の改正(ラベルに品種名を表記しなくてもよくなったこと等々)を成し遂げた、信念の男。現在も彼が昔から提唱する、畑の個性に基づく「プルミエクリュ」を実現させるべく運動を続けています。

「ぶどうの樹は、自ら養分を求めて根を土中に伸ばします。この土中深くにあるものがその土地のテロワールです。ここは気候の影響もほとんど受けません。根が地表に留まると気候の影響をモロに受け、土地の個性は失われてしまいます。僕のワインは、例えば酷暑だった2003年も、濃さは例年と変わりませんでした。ビオディナミも、このテロワールを引き出すための手段に過ぎません。」

「また今日、アルザスのほとんどの畑で同じクローンばかりが植えられるようになりました。その結果、どのワインを飲んでもクローンの個性の味しかしなくなりました。アルザスの土壌は、太古の地殻変動に由来する極めて複雑で多様なものです。個々の土地の強烈な個性をそのままワインに表現することが、僕の人生です」。

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というように、ワイン造りにおいて、とにかく頑固な考えの持ち主。ただそれが、今日のアルザスワインをつくったと言っても過言ではございません。

そんなこだわりの詰まった彼のワインが2種類入荷しております。

0802_wine5◎アルザス・ルージュ 750ml 税込4,320円
グラン・クリュの「ベルグハイム」などのピノ・ノワールが50%、プルミエ・クリュの「ビュルランベルグ」の樹齢10年未満のピノ・ノワールが50%。平均樹齢20年。年間生産量5000本の限定品。酸がきりりと立ちしっかりとした構造を持つワインを生むテロワールで、ダイスのピノノワールらしい、完熟したカシスを食べているようなリアルな果実味と、深いミネラルの風味が特徴的な、フェミナンでエレガントなワインです。

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◎エンゲルガルテン プルミエ・クリュ 750ml 税込6,696円
とりわけ高標高(350m)の区画に2ha。平均樹齢40年。リースリング、ピノ・グリ、ブーロ、ミュスカ、ピノ・ノワールの混植で、リースリングが約50%。畑はドメーヌの裏。白色の砂礫土壌。水はけがよく乾燥した土壌で、特に9月の乾燥によってぶどうが理想的に完熟します。ダイスによれば「複雑すぎて短い文章で描写することができない、まるで人間のようなワインです」。「エンゲルガルテン」は「天使の庭」の意。ダイスのプルミエクリュを代表する看板商品です。「レモンが欲しいと思う料理によく合います」
(奥さんのマリー・エレーヌさんのコメント)

アルザスの師弟関係のワインはいかがでしたか?
現在好評販売中でございます。もし、よろしければ飲みくらべてみてください。

では、今週はこのあたりとさせて頂きます。最後までお付き合いいただきありがとうございました。