皆様、新年度・新生活が始まりましたね。お疲れの方も多いと思います。何かと慌ただしいシーズンですが、気温・陽気も暖かくなってきて、どこかへ出かけたくなります（私Ｍは今のところ何処へも行く予定はありませんが・・・（笑） ）。
この時期は、お祝いをいただいたお返し、いわゆる内祝需要が増えてきますが、今回は、そんな内祝需要にピッタリのイタリアワインをご紹介していきます。
『フォントディ』
まずは、生産者のご紹介から。
トスカーナの主要品種であるサンジョベーゼだけでは、良いワインはつくれないとの固定観念もあった時期に反旗をひるがえしたのが1968年に設立された『フォントディ』です。
ルネサンス期以来の瓦職人の家系に生まれ育ったマネッティ兄弟は、サンジョベーゼ100％でもおいしいキアンティがつくれるはずだと考え、実際その通りのものを生み出しました。
しかし、これを公表すれば法律違反となり、キアンティとして認められないため、しばらくは、製法を内密にしていました。やがて、彼らに追随する者が多く現れ、サンジョベーゼ100％のワインが公然と出回るようになりました。
そして、1996年法律が改正され、サンジョベーゼ100％のワインも『キアンティ』と認められるようになったのです。いわば、『フォントディ』がイタリアワインの象徴キアンティの法律を変えたといっても過言ではございません。
ワインスペクテイター1999年11月号で『フォントディ』のジョヴァンニ・マネッティは
「フォントディのつくるワインがイタリア最良のワインであることは明白だ。私は、サンジョベーゼを信じている。カベルネやメルローは世界中どこだってつくれる。でもサンジョベーゼは特別なんだ。それは、トスカーナのためだけのものだから。」
と語っています。
フォントディは、130ヘクタールにわたりオーガニックの認証を受けています。その中70ヘクタールにブドウが栽培されています。栽培において自然を尊重し、環境を破壊することなく資源を利用しながら維持していくことを大切にしています。化学薬品を使用せず、この土地の潜在力を引き出し、余分なものを外からできるだけ加えないようにしています。
環境を大切にするということは、ブドウやテロワールのより良い純粋な真の表現につながります。醸造と樽での熟成は現代的なワイナリーで行われ、重力を利用できるような、降下型の造りをしている醸造設備で、ワインの個性やエレガンスを引き出すためブドウ自体の自然な統合を最も大切にしています。
フォントディのすべてのワインは、自社畑のブドウのもので、
手で収穫され、丹念に選別され、ブドウとテロワールの素晴らしさが
最大限に感じられるよう大切に醸造されています。
そのイタリア最良の生産者の最高キュヴェが今回ご紹介させていただく
フランチャネッロ・デッラ・ピエヴェ
750ml 税込 10,800円
一躍『フォントディ』の名を轟かせたのは、この【フランチャネッロ】に他なりません。
それもそのはず、フォントディのジョヴァンニマネッティ氏が「私の息子」と形容する、
手塩にかけたワインだからです。完熟した健康なサンジョベーゼだけで造られ濃いベリー系の果実、甘草、コーヒーの香り高貴な酸とキリッとしたタンニンで精妙なる構造を持ちます。さらに、有機栽培に由来するナチュラルな飲み口。ピアノ線のような細長い繊細な余韻が飲む人を心酔させます。
ラベルの「ピエーヴ（十字架）」は畑の一角にある1200年前の協会をさし、その協会の祭壇の中にある十字架を選んでいます。
その十字架には人間と土壌の関係が描かれていて、マネッティ氏は土壌と歴史を尊重する気持ちを込めてこのラベルにしたと説明します。
彼の謙虚に自然を敬うエスプリが垣間見え、ワインは土壌の味わいがします。
フォントディのすべてがここに集約された秀逸なる「スーパー・タスカン」です。
≪テクニカル情報≫
生産者：ジョヴァンニ・マネッティ アペラシオン：イタリア・トスカーナ
品種：サンジョベーゼ100％ 樹齢：30年以上
醸造：発酵には、土着の酵母を使い、温度管理されたステンレスタンクで最低でも3週間マロラクティック発酵には樽を用います。
新樽で24ヶ月の熟成後、最低でも10ヶ月間瓶内熟成。
味わい：フルボディ
≪フランチャネロのキーポイント≫
１、100％サンジョベーゼでフランス産のオーク樽で熟成
２、2001年よりパンザノの歴史的畑である『コンカ・ドーロ』に位置する
多数の畑から最高のブドウを使用。以前は、厳格な単一畑のワインであった
３、フランチャネロの地位は2001年より『アイコン（象徴）・ワイン』として定着
４、キアンティ・クラシコの100％サンジョベーゼのワインの最も力強いものの１つ
５、熟成のポテンシャルは20年以上
≪パーカーポイント取得歴≫
2012年 ＰＰ９４点
「収穫量は20％も減少しているが、これは果実の選定がより厳しく行われたことを意味している。
濃い果実とスパイスの大胆な味わいの中に、引き締まったミネラルのニュアンスがふんだんに包み込まれている。
非常に贅沢な味わいで、口当たりがビロードのように柔らかなワイン。」
2011年 ＰＰ９５点
2010年 ＰＰ９７＋点
そして、もう1本希少なワインのご紹介です。
ピノ・ネロ カーセ・ヴィア
750ml 税込 5,940円
『フォントディ』の代表名詞であるサンジョベーゼ以外にもブドウを栽培しています。
その中でこのワインは、ピノ・ネロ（ピノ・ノワール）を使ったワインです。出来が良い年でも4,000本しか生産されない希少なワインです。
≪テクニカル情報≫
生産者：ジョヴァンニ・マネッティ アペラシオン：イタリア・トスカーナ
品種：ピノ・ネロ（ピノ・ノワール）
醸造：除こうし優しくプレスをした後、土着酵母で約２週間ステンレスタンク発酵とマセラシオンを行います。
タンクは28℃から30℃に管理され、期間中は毎日櫂入れします。発酵後はアリエ産の樽に移しマロラクティック発酵をします。
熟成：トロンセ産の樽で12ヶ月熟成後、6ヶ月間瓶内熟成。
味わい：ミディアムフル
このワインは、干しブドウ、チェリー、土、甘草などの香りがし、果実味豊かですが、それに追随する酸を兼ね備えています。
開くまでに時間のかかるワインですので、時間をゆっくり過ごしたいときにじっくり味わいたいワインです。
２０１２年ヴィンテージ ＰＰ９１点
ロバート・パーカーの評価
「トスカーナのピノ・ネロを素晴らしく華やかに表現している。ローズ、ジャスミン、そして紅茶の香りが上品なブーケとして感じられる。
繊細なアロマがゆっくりと表れ、フィニッシュにはスパイスと甘いアーモンドが続き、全体的に美しい。」
ご紹介させていただいた２本のワインは、まるひろ川越店に４月２０日前後に入荷いたします。
いずれも、年に１度の入荷ですのでお早目のご利用を。
このような、生産者の強いこだわり・思いが詰まったワインは、自分でも飲みたいですが、
是非、お世話になっている方への感謝、返礼としてご利用されることもおすすめいたします。
今回は、このあたりで失礼いたします。最後までお付き合いありがとうございました。