4月13日 VOL 149
ワインラヴァーの皆様こんにちは。今週もまるひろワインブログにお立ち寄り頂きありがとうございます。
皆様、お花見は行かれましたか?前回のブログがアップされたときが、一番の桜の見ごろでした。私は、お花見できませんでしたが、車窓からの綺麗な桜の花を眺めていました。何だか寂しい人みたいな雰囲気になっちゃいましたが。。。この季節は、気温も温かくなり、一番良い陽気なことと、私の誕生月なこともあり、大好きな季節です。
■ 世界で今最も注目されている生産地区の【フランス・ジュラ産】のワインが入荷いたしましたのでご紹介させていただきます。
なぜ、ジュラワインが注目されているかといいますと、生産量が少ないので見つけるのが難しく『フランスの秘境ワイン』といわれています。グローバルマーケットにおけるジュラ産のワインの立ち位置は、マイナーだから売れないのではなく、マイナーでも注目を浴び、売れるワインが世の中にある。そんなワインがロンドンやニューヨークで大きなブームとなっており、有名なワインショップでは必ず並んでいる。生産量自体が少ないので各国のバイヤーがこぞって漁っている状況が続いています。
■ 一般的な産地の一般的な品種のものよりも地域の個性とブドウの個性に富み、良質なワイン生み出すジュラ産地についてお話しいたします。
ジュラとは、ブルゴーニュの東、100㎞スイス国境付近に位置し、栽培面積は、フランスのワイン産地の約0.3%の2,100ヘクタールほど(ちなみにマルゴー村とほぼ同じ面積。4,800ヘクタールあるシャブリ全域の半分以下)。
土壌は、ジュラ紀(1億5,000万年~2億年前)に形成されたライムストーンが原料の粘土質(ライムストーンとは、『石灰石』のことで炭酸カルシウムが主成分。有殻生物の遺骸が化学的沈殿を起こして生成されたもの)。豊富なミネラルと酸を得られやすい土壌です。しかし西側にソーヌ河、東側にデブス河に挟まれ、更にその東側にアルプス山脈が控え、降水量が多い場所のため、大量生産には向かない場所。粘土質土壌ですが土(砂)の粒子が極めて細かいので、雨が降るとぬかるみ、乾燥すると固くなります。耕作できる期間、トラクターを使える期間が極めて短い!雹害も多く更に収量が減り、生産コストが上がります。
総じて、プロダクションコストがかかり、生産量も少ないため、市場スケールからすると長らくマイノリティーだったのですが、個性豊かなブドウ品種と高品質なワインの台頭により、素材、調理方法、スタイル等よりグローバル化が進んだ飲食業界、レストランにとっては、特に『ジュラ』は重要な地域となっています。
栽培されているブドウ品種 赤・・・プールサール、トゥルソー、ピノノワール 白・・・サヴァニャン、シャルドネ、ピノブラン
今回紹介するワインは白ワイン2品ですが、そのワインに使用されてるジュラ産ブドウ品種の特徴は
『サヴァニャン』 イタリアのトラミー(トラミーナ)種と同種?ゲヴュルツトラミネールとも同種?という説もあり、そこまでの強烈なアロマはない。果皮が薄く、ブドウの糖度が上がりきる頃に発生するエスカと呼ばれる幹が空洞化する病害にかかり易くなる為、早めの収穫をする。10年以上の樹がかかりやすいので古木は少ない。ワインが若いと豊かな酸が基調となるが、次第に炒ったナッツの風味を感じる。
『シャルドネ』 酸のしっかりしたミネラリーなシャルドネ。シャブリのキリメン(ムロンダルボワ) ジャン土壌とはまた違うミネラル、細かいテクスチャーがあり、タイトなスタイルを感じさせるが尖った印象ではない。ややおっとりとした面が料理に合わせやすいワインを産む。
背景、土地、ブドウのお話が終わり、ようやく今回のワインをご紹介します。
まず、1品目は
アルボワ グラン・エルバージュ
サヴァニャン ヴィエイユ・ヴィーニュ2009
◆750ml 税込 5,940円
あとで説明しますが、話題の造り手『ジャン・リケール』のトップキュヴェでジュラの特級ともいえるワインです。 ローストナッツと温かいリンゴのアロマが溢れ味わいはとても新鮮で、凝縮感のあるナッツとリンゴの風味と共に快活な酸がバランス良く広がります。
そして、2品目は、
コート・デュ・ジュラ レ・サル シャルドネ2012
◆750ml 税込 2,700円
過去ヴィンテージにてパーカーポイント90点以上を連発する実力ワイン。ミネラルの風味が強調されるこのアペラシオンならではの味わいが引き出されています。上品なアロマには、白い花、新鮮な果実、そしてしなやかな構造とフレッシュなフィニッシュが印象的です。
以上2品がまるひろ川越店に入荷いたします(入荷が遅れそうで、4月14日か15日入荷予定)が、それぞれ6本ずつしかありませんので早いもの勝ちになります。
1品目のサヴァニャンが日本に入ってきたのは3年ぶりとなるくらい希少なワインです。
最後にこのワインの生産者『ジャン・リケール』についてお話しします。
『ジャン・リケール』 ブルゴーニュ白ワインの最高の造り手として有名な『ヴェルジェ』の共同経営者でしたが1997年に独立して自分自身のワインを造り始めました。最初に決めた方針は〈自分たちが食事の時に飲みたいワイン〉を造ることです。決して飲み疲れることなく、最大限に料理を引き立てる魔法のようなワインは、ミシュランガイドで三ツ星、二ツ星に輝くEUのレストランはもちろん、世界のトップクラスのレストランから絶大な信頼を得ています。
製造の特徴
- ポリシー・・・収量を抑え除草剤も使わずにワインの生きた要素=澱の活動を最大限に利用して造る。
- 収 穫 ・・・すべて手摘み。カゴにブドウを重ねずに入れ潰れるのを防ぐ。圧搾も少しの空気圧のみで行う為、フリーランに近い。
- 樽 ・・・木樽を100%使用。新樽の使用率は10%前後に抑え樽の要素は控えめにしています。
- 澱 ・・・澱は、瓶詰めされるまでシュルリーで熟成されるが、その間頻繁にバトナージュ(攪拌)を行い澱を活性化させる。
白ワイン造りにおいて澱の動きに最重点を置く『リケール』の考えでは、澱は発酵後のワインの中で唯一の生きた要素であり本来酵母の死骸である澱は、ワインの中で活動を続けるという考え。
マコン、ジュラ地区で、こだわり、愛情をもったワイン造りを続ける『ジャン・リケール』が世界のトップクラスのレストランに信頼されている理由です。生産者とジュラの個性的テロワールの結晶を是非お試しください。
今回は、このあたりで失礼いたします。最後までお付き合い下さいましてありがとうございました。